チロ・ツグミ・メリーと 動物問題 ~ vegan ~

愛猫チロとツグミ、愛犬のメリーと暮らしています。 畜産のひどい実態を知り、ヴィーガンになりました。主に、動物問題について書き記します。

ブロイラーに起きていること

今では、大多数の日本人が食べている鶏肉。



この記事では、日本の鶏肉の生産の実態を書きます。

鶏肉を食べる方は、しっかりご覧ください。

 

鶏肉にされる鶏を、ブロイラーといいます。

 

鶏の寿命は10年ほどと言われていますが、

ブロイラーは、わずか生後50日の雛のうちに殺されます。

 

孵化場で誕生した雛たちは、各養鶏場にトラックなどで運ばれます。


到着すると、大量にいる雛たちは、コンテナから乱暴に地面に放り投げられます。

こうして養鶏場での地獄の生活が始まります。

ブロイラーの孵化場では、未熟な雛、起立不能の雛、奇形の雛などは売り物にならないため殺処分されます。

しかし、一日に産まれる雛は数万羽にものぼるので、選別時に見逃されてしまい、農場に連れていかれることがあります。


未熟な雛は鶏舎の中で自力で生き延びることはできず、死に至ります。


数多くの生まれたばかりの小さな雛たちが地面に散らばっています。

この地面を従業員たちは移動します。

 

そのため作業の際に、雛がまきこまれケガをしてしまったり、

 

 

雛を踏みつぶしてしまう事故も起きます。


踏まれた雛はお尻から内臓が飛び出し、痛く苦しいため、羽をばたつかせます。


しかし、治療をされる事はなく、苦しみもがいたあげく死に至ります。

 

 

ブロイラーは品種改良によって、通常の鶏の5倍以上も太る体にされています。

 

その影響で、病気になりやすく、死亡率は通常の鶏の7倍にのぼります。

 

先天異常が増えているという研究結果もあります。

 

 

この雛は、目を固く閉じ肩をすくめてじっとうずくまっています。

病気なのでしょう。

具合は徐々に悪くなり、その場に横たわり始めました。

こうなると、後は死を待つのみです。

 

養鶏場では、鶏が病気になったり足を骨折したりしても、治療されることは一切ありません。

 

 

 

 

足のねじれ、跛行、歩行困難、脛骨形成不全症、脊椎すべり症などによる

「脚弱」は、ブロイラーではよく見られる疾患です。

ブロイラーの14%~50%が脚弱、24.22%が脛骨形成不全症、40.8%が明確な歩行異常が認められたというデータなどがあります。

 

こちらは足が変形した雛。

 

大きくなるにつれ、足が曲がって、歩行困難となる雛が増えていきます。

 

この脚のまま、地面を這って進んだり、高い位置にある餌を食べなければなりません。

 

 

こういった雛の中には、ひっくり返って起き上がれなくなってしまう雛もいます。

 

自力で起き上がることはできないので、従業員に起こしてもらうしかありません。

 

しかし、鶏舎によっては数万羽の雛がいるので、

ひっくり返ってても気付いてもらえなかったり、放っておかれる事も珍しくありません。

 

長時間 転んだ雛は、羽毛が剥げ、アザが残っています。

起き上がろうとしてもがいたためでしょう。

従業員に起こしてもらえなければ、餌を食べられず、徐々に衰弱し餓死します。

 

 



こちらは、脊髄すべり症の雛です。

脊椎すべり症とは、脊椎骨の変形やずれにより、脊髄圧迫と後部麻痺を引き起こされる病気です。

足関節で体を支え、お座りのような姿勢をとったまま

歩行困難や、歩行不能となり、翼で移動しようとします。

 

 

こちらは呼吸障害となり、苦しんでいる雛です。

 

苦しそうに呼吸を行っています。

 

品種改良によって、急激に太る体にされた事は決して無関係ではないでしょう。



こちらの雛は、首が曲がっています。

 

そして、こちらの雛は首がねじれてしまっています。

 

こうなると まっすぐに首を上げられず、動くたび体が回転して餌を食べることが難しくなります。

餌を食べれなければ、徐々に衰弱し餓死します。

 

原因は特定できていませんが、商業用ブロイラーで、この頸椎側わん症、斜頸の雛が増加傾向にあるため、遺伝との関連が考えられています。

 

 

こちらは、クチバシが変形してしまった雛。

変形しているため、餌をちゃんと食べることができず、小さく、痩せています。

 

 

一般的にブロイラーの養鶏場では、雛を出荷するまで、床に敷かれたノコクズなどの敷料の交換は行われません。

そのため日齢がたつにつれて敷料は糞を吸収し、汚れ、固まっていきます。

それに伴い鶏舎の空気もしだいに悪化していきます。

 

給水管から水漏れすることも珍しくなく、その下の地面は、糞とノコクズと水が混ざってどろどろになり、さらに不潔になります。

 

その付近にいる雛たちはどろどろの中で過ごさなければなりません。


鶏はお尻が濡れるのを嫌い、腹回りの羽毛が生えていない鶏は直接皮膚に糞が触れるのを嫌うため、地面に座るのを嫌がります。

 

ブロイラーの多くは、足の裏の炎症(FPD)を起こしています。

 

日本の養鶏場の調査では、「調査した全ての鶏群でFPDが観察され、一部の鶏群では全ての個体にFPDが観察された」と報告されています。

 

床状態の悪さ、飼育密度の高さ、品種改良などが原因です。

 

FPD率は、急激な成長をするブロイラーが8割程度であるのに対してゆっくり成長するブロイラーは4割程度であることが報告されています。


多くの雛たちが、想像を絶する足の痛みを味わって生きているのです。


雛の足は「もみじ」などという名称で販売されていますが、

「踏み固まったものの付着あり」「足裏汚れあり」「このような部分がついていますが品質に問題はございません」などと説明書きされていることがあります。

それがFPDの痕です。

ブロイラーの足の炎症(趾蹠皮膚炎:FPD)

 

 

雛たちが大きくなるごとに、養鶏場は過密になっていきます。

 

こちらは、生後35日。

 

こちらは生後47日。まるで満員電車のようです。

 

日本の平均的な飼育密度は1m×1mに16羽。一羽当たりA4サイズの紙一枚分しかありません。

日本にはEUのように飼育密度の規制がないため、1m×1mに22羽も詰め込まれることもあります。

 


体重が増加すればするほど、骨が変形してしまう鶏は増えていきます。

 


自分の体重が支えきれず、ガニ股となってしまう鶏も多くいます。


そして少し歩くとハアハアと荒い息をして座り込みます。

体が大きくなりすぎて、グルーミングするのも難しくなります。

 

品種改良によって、ブロイラーたちは生きるだけで苦しい体にされてしまったのです。

 

残念ながら企業は、いまもなお品種改良を続けています。



ブロイラーの雛は腹周りに羽毛がほぼありません。

普通の鶏とは違い、地肌が見えている部分が多いです。

品種改良や、栄養条件、敷料の状態などの環境条件などが考えられています。

 

本来羽毛で守られるはずの肌がむき出しとなるため、損傷のリスクがあり、感染症にもかかりやすくなります。

 

 

養鶏場では、一般的に鶏舎の中にはエアコンはなく、換気扇のみで温度管理が行われます。

夏場に鶏舎に入って作業する人は一瞬で汗まみれになってしまいます。

人は鶏舎から出ることができますが、雛にはできません。

夏場には一度に数百、数千羽も熱死することもあります。

 

 

こうして養鶏場では、50日という短い期間の間にも、

多くの雛たちが毎日のように衰弱し、死んでいきます。

 


養鶏場では死んだ鶏たちは、毎日ゴミとして廃棄処分されています。

 

 

 

 

 

と殺されるまでの50日という短い期間ですら、

脚の虚弱化と運動障害の発生が25%になり、ブロイラーは生涯の1/3もの間、慢性的疼痛にさらされています。

 

目をぎゅっと閉じて、痛みにじっと耐える日々を送ります。


本来雛たちは、人が入ってくると危険を察知し、一目散に逃げます。

 

しかし、弱った雛たちは危険を察知しても動く力は残っていません。


体中が痛く苦しいのです。

それでもすぐに死ねるわけではありません。

 

ハアハアと息をしながら、長い間、体の痛みと、飢えと渇きに苦しみ、苦しみぬいた末に死ぬのです。

 

彼らは、人間の欲のために産まされ、ほぼ全ての人に存在を知られる事もなく、ただただ痛みと苦しみだけの一生を過ごしたのです。

 

 

従業員が弱った雛を見つけて、その場で首をひねって殺すこともあります。

首をひねられた雛は羽根をばたつかせ、クチバシをパクパクさせて、動かなくなるまで2~3分かかることもあります。

 

首の骨を外す頸椎脱臼は、意識の即時の喪失をもたらさず、効果的に行うことができるのは10%程度。

つまり、頚椎脱臼の後に脳活動が継続するリスクが常に存在します。

 

人の手で殺されるのと、長くかかって衰弱して死ぬのと、どちらがマシなのか。

 

 

このすべての試練を生き延びたとしても、50日が経てば、カゴに詰め込まれます。


そして、トラックで長距離、長時間を、ぎゅうぎゅう詰めにされて運ばれます。


この苦痛の長旅を終え、ようやく食肉処理場に到着しても、待っているのは死のみです。


片足を吊り上げられ

 

麻酔なしで首を切られて、出血多量で死亡します。

 

世界中で660億以上の鶏が肉のために殺されています。

国内では毎年約6億9千万羽の肉用鶏が殺されています。

 

また、日本は屠殺している鶏のおよそ倍の量の鶏肉をブラジルやタイなどから輸入しています。

 

 

これらの数々の苦しみを経て、売られているのが鶏肉というものです。

上の鶏肉は、間接部分が赤くなっており、生前炎症を起こして苦しんでいたことが分かります。

 

元々安いですが、売れなければさらに安売りされ、それでも売れなければ廃棄されます。

 

 

日本人はすぐに、感謝していただくことに意味があるなどと言いますが、

殺された後に感謝されれば、鶏たちのような悲惨な一生を送ってもいいという、変わった方がいらっしゃればぜひ教えてください。

感謝も、いただきますも、ごちそうさまも、誰でも言えるような、ただの建前の言葉です。

 

生産者側に感謝や敬意が足りないとか言っている人を見かけますが、

その暴力的な生産は、あなたが肉を欲しがることが原因です。


人間は鶏肉を食べなくても生きていけます。


鶏肉を食べる理由は、美味しいという欲のみです。

 

・ 菜食の始め方

 

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